【名護】ベトナム戦争などの戦場を撮影してきた報道カメラマン石川文洋さん(84)が17日、名護市の大宮小学校で課外授業を行った。石川さんはロシアによるウクライナ侵攻に触れ「戦争とは学校に行ったり、友達と遊んだりする普通の生活ができなくなることだ。将来兵士になるのは子どもたち。その子どもたちを殺すことも戦争だ」と戦争の実態を指摘。平和を守る大切さを伝えた。
同校の6年生約140人が参加し、真剣な表情で石川さんの話を聞いたり、写真に見入ったりしていた。
ロシアのウクライナ侵攻について語った石川さんは「皆さんに今すぐ戦争を止めることはできないかもしれないが、戦争がもたらす悲惨な状況を知ることで『戦争はしてはいけない』と考えることにつながれば」と期待を込めた。
また、ベトナム戦争について「第2次世界大戦で使用された量の倍近い数の爆弾がベトナムの農村に使われた。枯れ葉剤は今の時代に生まれてくる子どもたちにも影響が出ている」と説明。嘉手納基地から爆撃機がベトナム戦争に出撃したことに触れ「今、名護市でも辺野古に新基地が造られようとしている。そこから戦地に出撃したら沖縄はまた加害者になる」と指摘した。
その上で、石川さんは世界55カ国を旅したことに触れ「沖縄の海が一番きれいだ。沖縄の自然と平和を守ることを祈っている」と語り掛けた。
6年生を代表して島袋沙羽さん(11)は「今まで沖縄戦のことしか知らなかったが、ベトナム戦争でもたくさんの人が亡くなったと知ることができた。改めて戦争はいけないと思った。平和のためにできることをしていきたい」と感想を述べ、石川さんに感謝を示した。
(松堂秀樹)