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印象操作はねのけねば 前泊博盛氏<県民平和大集会>


印象操作はねのけねば 前泊博盛氏<県民平和大集会> 基調報告を行う沖縄国際大学の前泊博盛教授=23日、那覇市の奥武山公園陸上競技場(大城直也撮影)
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 次なる沖縄戦の阻止を訴え、思いを共有する1万人以上(主催者発表)の人々が集まった23日の県民平和大集会。自衛隊駐屯地の新設やミサイル部隊の配備など「南西シフト」を名目に進められる軍備強化に対し、危機感を強める人々の思いが形となった。既に県内各地で自衛隊や米軍による訓練は増加しており、地域社会への影響も各地から報告された。参加者らは「戦争の準備をすることは断じて許さない」と思いを一つにした。
 (沖田有吾、知念征尚、佐野真慈、與那原采恵)


 いざというとき、日本は沖縄を消耗品として使う。しかし残念ながら日本は琉球のために犠牲になることは好まない。

 メディアがいま、一生懸命報道しているのは、台湾有事。そして沖縄有事を期待するような報道。日々聞かされるたびに戦争が近いような印象操作をされてしまう。はねのければならない。

 今日集会が開かれているが、まさにこれも沖縄が戦場になっている証拠。岸田首相にはっきりと言う。戦争をするなら、沖縄ではなく地元でやれ。なぜ沖縄が戦場にならなければいけないのか。台湾有事はなぜ日本有事、そして沖縄有事にすり替えられるのか。首都圏の人たちが住んでいる場所が最初に戦場になるとなった時、ミサイル防衛などというばかげた議論はしない。なぜ沖縄だけがそういう議論をされるのか。

 自分たちの未来は自分たちで奪い取る時代にきている。新しい時代を若い人たちに託し、育てて一緒に立ち上がろう。ファクト(事実)とエビデンス(証拠)によってしっかりとフェイク(偽物)にだまされない行動をとろう。平和と民主主義は与えられるものではなく、奪い取るもの。沖縄は沖縄戦で十分に犠牲になった。軍事に頼らない平和を、安全保障を国民で作っていってほしい。

 (沖縄国際大教授)