【知事あいさつ全文】11・23県民平和大集会


【知事あいさつ全文】11・23県民平和大集会 平和への思いを訴える玉城デニー知事=23日、那覇市の奥武山公園陸上競技場(大城直也撮影)
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 はいさいぐすーよー、暑(あち)さいびんやー、ちゅーうがなびらさい。
みなさんこんにちは。11月23日、この青空の下で久しぶりにこのように、みんなが主催者のお一人となって参加して頂いている平和大集会が開催されること、本当に心からうれしく思う。お互いに拍手を送って下さい。

 あいさつの前に忘れないうちに紹介したい。会場の入り口に皆さんのメッセージを貼り付けたスイミーというオブジェを計画している。私も魚の形をした一枚の鱗に、ぼくの好きなネコの絵を描いてピースと書いた。後でこれを貼ってもらう。若い人たちやいろいろな方々がこうやって思い思いの気持ちを寄せ合ってつくっている大会。一人一人が平和に対する熱い希望も思いもそれぞれ持っている。

 しかしなぜ日本政府は沖縄の不条理に正面から向き合おうとしないのか。その不条理が存在する限り、私たち沖縄県民はこれからも絶対にひるむことなく行動し、平和のための声を上げ続けていこうではありませんか。

 冷静に考えてみると、もし沖縄が平和でないと、観光客は来ない。経済なんか回らない。シェルターにばかり逃げていたら、勉強もできない、仕事も出来ない。その姿を私たちは、パレスチナガザ地区や、たくさんの悲劇に見舞われ逃げる場所すらない人々の表情に、大きな憂いを、既視感を感じていると思う。

 ウクライナの街が破壊されたとき、私は一番最初に、1970年12月のコザ暴動のあのシーンが、まるで白黒映画がよみがえるように思い出した。どうしてこういう悲劇を繰り返すんだろう。歴史の歩みを振り返れば、必ずどこかで拳をおさめ怒りを鎮めるそのタイミングがあるはずだ。なぜそれに向き合おうとしないのか、なぜそれを学ぼうとしないのか。

 だからこそ私たちは、沖縄戦の歴史や、27年間の米軍の施政権下にあって人権を蹂躙されてきたその事実を、そして復帰51年たった沖縄にもなお日本全体の70%あまりの米軍基地面積を押し付けられているということの不条理をただしていかなくてはならない。

 それは今の私たちのためだけではない。当然、今行動することによってわれわれがどういう未来をつくっていこうとしているのかを、全国の皆さんや全世界の皆さんと共有共感していかなくてはならないからだ。
 子ども達の未来が戦争の未来であってはならない。不穏な未来であってはならない。誰一人取り残されない本当に優しい社会を作りたいのであれば、今私たちが求めている平和の思いを、全国で全世界で共有するために行動しよう、声を上げていこう。

 ぐすーよー、負(ま)きてぃないびらんどー。負(ま)きぃーしぇー、どぅーなーぬ、心(くく)るどぅ、やいびんどー。
 自分の心に勝つことこそ、私たちの信頼と共感につながる。ぜひ、毎日の苦しい状況があったとしても、私でさえ頑張ることができています。皆さんと一緒であれば、みんなが一緒であれば必ず、その頑張る気持ちが一つにつながる。

 りーさい、ぐすーよー、まじゅん、ちばっていちゃびらな、やーさい。一緒にがんばっていきましょう。よろしくお願いします。にふぇーでーびたん。ありがとうございます。Thank you very much.