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学校レクで「黒い人」「白い人」 生徒が「人種差別」を指摘も中止せず 沖縄本島北部の中学校  


学校レクで「黒い人」「白い人」 生徒が「人種差別」を指摘も中止せず 沖縄本島北部の中学校   体育館(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 増田 健太

 沖縄本島北部の中学校の授業時間中に開かれたレクリエーションで、人種差別が疑われる不適切なゲームがあったことが24日までに分かった。引いたカードの内容に従って人を連れてくるゲームで「肌が黒い人」「肌が白い人」などと書かれたカードがあった。黒人のルーツを持つ男子生徒が人種差別を指摘したが、教員はゲームを中止しなかった。校長は24日、「不適切だった」として差別だと指摘した生徒と保護者に謝罪する意向を示している。

 学校によると、レクリエーションは22日、総合学習の時間に体育館で開かれた。生徒が企画するゲーム「借り物競争」の予定だったが、カードに書く文言を生徒が出し合う過程で、「尊敬する人」「頭がいい人」などと「借り人競争」に変わった。一部の教員は文言を事前に把握できる立場にいた。

 「肌が黒い人」というカードは男子生徒とは別の生徒に複数回使われ、男子生徒が人種差別を指摘したが教員は中止しなかった。

 男子生徒の母親(40)によると「(息子は教員の)冷淡な態度にショックを受けた。黒人やミックスルーツを持つ全ての子どもを傷つける行為で、私たちも何度も差別を受けている。学校が差別を認識できておらず、残念な思いだ。人権教育を徹底してほしい」などと話した。

 校長は「人種差別と捉えられかねないゲームで、適切ではなかった。生徒本人に寄り添い、安心して生活できるように教育相談などをしていきたい」としたほか、人権教育を進めていく考えを示した。

 学校によると、ゲームの準備では生徒たちが約40の文言を出し、教員がパソコンで清書しカードを作成した。「美人の人」「イケメン」などと外見にかかわるものもあった。

 教育委員会は24日「教育長が不在で、詳細な事実関係を確認中だ」としている。 (増田健太)