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同性婚の実現「パートナーとの未来、見えるように」 法制化した台湾の声を紹介、那覇でイベント


同性婚の実現「パートナーとの未来、見えるように」 法制化した台湾の声を紹介、那覇でイベント 「結婚の平等が実現したら暮らしはどう変わる?」をテーマにトークを繰り広げる登壇者たち=26日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館講堂
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 結婚の平等(同性婚)法制化の実現へ理解を広げることを目指すイベント「沖縄から結婚の平等にYES! YES FOR MARRIAGE EQUALITY」(同実行委員会主催)が26日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。

 台湾がアジアで初めて同性婚法制化を実現するまで道のりを描いたドキュメンタリー映画の上映後、「結婚の平等が実現したら暮らしはどう変わる?」をテーマにトークを繰り広げた。

 多様な家族の在り方についてSNSやブログで発信しているfufu―hug(ふふはぐ)のmatoさんは、自身も女性の同性愛者カップルで子育て中であることを紹介し「台湾で同性婚が法制化されて家族との関係がどう変わったのか気になった」と感想を述べた。

 この疑問に、ゲストで来沖した台湾ジェンダー平等教育協会の韓宜臻(ハン・イージェン)事務局長が答えた。自身が関わった調査を紹介し「家族に恋愛やパートナーについて話せなかった人が法制化後に話せるようになった人もいた」と答えた。調査では、親や家族の一番の懸念は「当事者がいじめられて暮らせなくなること」だったとし、「法制化から4年たつが心配されたことは起こっていない。パートナーとの関係も未来が見えるようになった」と紹介した。

 沖縄ろうLGBTQ団体「いるまんちゃー」副代表のリキさんは、県内自治体のパートナーシップ制度を利用するためにパートナーと県外から移住したが「年をとったらどうなるか将来が不安。結婚が認められるまで活動したい」と話した。

 同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法違反だとして損害賠償を求めた訴訟の九州弁護団に関わる仲地彩子弁護士は「広く国民が関心を持っていることを裁判官に示すためにも傍聴に来てほしいと伝えていた。多様性に寛容な沖縄で理解が進むことに期待したい」と話した。

(慶田城七瀬)