LGBTQなどの性的マイノリティーを含む全ての人が生きやすい社会を目指すイベント「ピンクドット沖縄2022」が20日、那覇市のパレットくもじ前交通広場で開かれ、延べ5千人(主催者発表)が参加した。2013年の活動開始から10年目の節目。初実施の「レインボーパレード」ではドラムの音とともに、ピンク色を身につけた約300人の参加者らが国際通りを歩いた。沿道から手を振って応える人もいた。
与那原町から参加した27歳と26歳の同性カップルは付き合って3年半になる。初参加で「開放的な気分」とすがすがしい表情でパレードを歩いた。結婚を考えており、「異性カップルと同等の権利が欲しい」と求めた。
新里さん(46)=南城市=も同性パートナーと共に参加した。25年前、進学先の札幌市でのプライドパレードに参加し、いつか地元沖縄で歩きたいと思っていた。「やっと歩けた」と笑顔を見せ「10年前と比べ、皆が前向きな気持ちで参加できている。地域の人と距離があったのが、子どもたちも含めて近くなった」と話した。
52歳と49歳の参加者はアメリカで結婚した。昨年10月に東京から沖縄に移り住み、那覇市のパートナーシップ制度を利用して日本でも公的に家族となった。「那覇市は東京よりマイノリティーに対する壁が低い印象を受けた。法律が変わって(同性婚でも)戸籍で自分の名前を変えられる社会になってほしい」と求めた。
3年前に那覇市でパートナーシップを結んだパートナーと、養子の娘の3人家族で参加した48歳の参加者は、「すごく楽しい。来年ももっと大きな規模でやってほしい。周りの認知も進んできた。まだ受け入れてもらえないこともあるが、皆に理解してもらえる世の中になってほしい」と話した。
(中村優希)
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