県内各地でオスプレイ飛行が当たり前になる中、屋久島沖での29日の墜落で改めて危険性を認識した県民からは、「怖い」「撤退してほしい」との声が上がった。日頃からオスプレイ運用に反対する県民は「欠陥機であり、即時停止すべきだ」と語気を強めた。
那覇市金城で帰宅途中だった60代女性は、事故を知り「えっ」と絶句した。「たまたま海上での事故だったが、そうでなければ二次被害が出ていた。いつ、どこに落ちるか分からない。やはり撤退してほしい」と話した。「オスプレイ飛行に慣れてしまっていた」と話す女性(42)も「沖合1キロなんて目と鼻の先。こういう事故が起こるとハッとさせられる」と眉をひそめた。
島ぐるみ八重瀬の会事務局長の沖本裕司さん(77)は、2016年の名護市安部での墜落に触れ「危険な機体が運用され続けている」とため息をつく。住宅地の上空を飛び回る現状に「事故が起きたらしばらく運用を停止し、ほとぼりが冷めたら再開するという対応をこれ以上許してはならない」と語気を強めた。
今年米軍オスプレイが緊急着陸し、県内で初めて陸自所属の機体が飛来した石垣市。現場で反対の声を上げ続けた藤井幸子さん(75)は相次ぐ事故に「欠陥機と言われる機体がなぜ飛んでいるのか」と疑問を呈した。「米軍も陸自も即時飛行停止するべきだ」と強調した。
宮古島市の仲里成繁さん(70)も「欠陥機と言われるオスプレイを購入し運用していることがおかしい」と日本政府を非難した。4月に同市伊良部島沖で発生した陸自ヘリ事故を振り返り「事故原因が究明されていない状況で、新たな事故だ」と首を振った。
(岩崎みどりまとめ)