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彫刻家の金城実さんに反権力人権賞 西光万吉文化・平和活動奨励賞も「活動が認められ、ありがたい」


彫刻家の金城実さんに反権力人権賞 西光万吉文化・平和活動奨励賞も「活動が認められ、ありがたい」  金城 実さん
この記事を書いた人 Avatar photo 伊佐 尚記

 権力と闘い人権擁護に尽力した個人や団体に贈る第35回多田謡子反権力人権賞(同基金運営委員会主催)にこのほど、読谷村の彫刻家・金城実さん(84)が選ばれた。金城さんは、「水平社宣言」を起草した西光万吉(さいこうまんきち)の思想を具現化した個人・団体に贈られる第2回西光万吉文化・平和活動奨励賞(同実行委員会主催)の受賞も決まった。

 金城さんは1939年生まれ、現うるま市浜比嘉島出身。「チビチリガマ世代を結ぶ平和の像」「恨之碑」の制作や靖国神社合祀取り消し訴訟などを通して沖縄戦や差別の実相を訴えてきたことが評価され、多田謡子賞の受賞が決まった。西光万吉賞の受賞は、水平社宣言の琉球語訳をしたことなどが評価された。

 金城さんは「関西で夜間中学の教員をしていた頃、被差別部落や在日朝鮮人の運動に取り組むようになったのが原点」と振り返り、「活動が認められ、ありがたい。琉球・沖縄人として今後も頑張りたい」と語った。

 多田謡子賞を受賞したのは金城さんを含む3個人・団体で、16日に東京都内で受賞発表会が催される。西光万吉賞の受賞は金城さんを含む4個人・団体で、来年3月に表彰される予定だ。

 (伊佐尚記)