沖縄で「親族」との対面喜ぶ フィリピン残留2世の2人 戦争で生き別れになった父の出身地訪ね


沖縄で「親族」との対面喜ぶ フィリピン残留2世の2人 戦争で生き別れになった父の出身地訪ね 平安座島の慰霊塔で、父親とみられる赤比地勲さんの名前を見つめるアカヒジ・サムエルさん(右)=16日、うるま市
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 戦争で日本人の親と生き別れになり戦後フィリピンに残された日本人2世の2人が16日、親族とみられる人々のもとを訪れた。父の出身地で親族との対面を喜んだ。

 ダバオ市在住のカナシロ・ロサさん(80)は父・金城幸正さんの出身地である南城市玉城志堅原を訪れた。和やかな雰囲気で迎え入れられ、親族の子どもは「お友達みたい」と声を上げた。親族宅にある幸正さんの仏壇に手を合わせ「ようやく会えてとても幸せだ。お父さんの思いや愛を感じた」と語った。

父・金城幸正さんの親族に迎えられるカナシロ・ロサさん(左手前)=16日、南城市玉城志堅原
父・金城幸正さんの親族に迎えられるカナシロ・ロサさん(左手前)=16日、南城市玉城志堅原

 パラワン州在住のアカヒジ・サムエルさん(81)はうるま市平安座島を訪ね、父だと思われる、赤比地勲さんの親族の墓や慰霊塔を訪ねた。慰霊塔では戦没者の名前の中にある勲さんの名前をじっと見つめ、手でなぞった。アカヒジさんの姿を見た親族は「勲さんの父に骨格や表情がよく似ている」と驚いた。

 (南彰、福田修平)