戦争で親と生き別れになったフィリピン残留日本人2世のカナシロ・ロサさん(80)とアカヒジ・サムエルさん(81)が18日、那覇市の県庁を訪れ玉城デニー知事と面談した。2人は戦後78年が過ぎても無国籍状態のままとなっている。玉城知事は「2人は紛れもないウチナーンチュ。国籍の回復に向けてどういう支援があるか検討していきたい」と語った。
カナシロさんは手で涙をぬぐいながら準備していた手紙を読み上げた。空港でいとこの金城進さん家族が手を広げて迎えてくれたのが、うれしかったと言い「家族の一員として温かく受け入れてくれて感謝している。沖縄とダバオの交流が増えることを期待している」と話した。
アカヒジさんは「今回沖縄に来られたことをうれしく思う。自分の子どもにも来沖するチャンスがあれば実現させたい」と語った。玉城知事はアカヒジさんの父と思われる赤比地勲さんが同じうるま市出身であることに触れ、「平安座島に友人がいたことをうれしく思う」と話した。
2人はフィリピン政府の後押しを受けて14日から来沖している。きょう、フィリピンに帰国する。
(渡真利優人)