断水でホテルの水出ず、予約キャンセルに 宮古島市に199万円の支払い命令 福岡高裁


断水でホテルの水出ず、予約キャンセルに 宮古島市に199万円の支払い命令 福岡高裁 水道(イメージ)
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 宮古島市と給水契約を締結したホテル事業者2社が断水で宿泊予約がキャンセルになるなどして損害を被ったとして、水道施設を管理する市に賠償を求めた差し戻し控訴審の判決が21日福岡高裁であった。久留島群一裁判長は「給水義務の不履行があった」と指摘し、市に計約199万円の支払いを命じた。

 断水は2018年4月27日~5月1日まで伊良部島南部で発生した。水位を調整する装置の部品の破損が原因だった。

 久留島裁判長は、水道法で市側は施設を良好に保つため維持、修繕を行う義務を負っていたと指摘。重要な装置が約40年交換されなかった事実などから同法の定める「やむを得ない場合」には当たらないとした。また市側には破損や断水を予見し結果を回避する義務もあったとし、それが「過大な負担を課するともいえない」と判示した。

 原告側代理人の尾畠弘典弁護士は「判決は水道法の趣旨から施設の管理に落ち度があり、更新を怠った場合には賠償を負うという当たり前の判断を示した。宮古島市以外でも施設管理の中身が今後問われる」と述べた。

 市側は「判決を精査し今後の対応を検討する」としている。