沖縄県高齢者福祉介護課は22日、2022年度の高齢者虐待相談や判断件数を発表した。養護者(家族や同居人など)に虐待の相談・通報件数は346件(前年度比45件減)で虐待と判断されたのは176件(同30件減)だった。介護施設の従業員などによる虐待の相談は36件(同14件増)で、虐待と判断した件数は11件(同4件増)だった。
養護者から虐待を受けた高齢者の性別は男性47人、女性134人の計181人。虐待の種別(複数回答)は多い順に身体的虐待116件、心理的虐待95件、介護等放棄32件、経済的虐待29件、性的虐待3件の計275件。
認知症の介護度が高くない高齢者が被害に遭う傾向があり、虐待の程度別では生命に危険が生じる「最重度」のケースが9人いた。虐待者の続柄は息子80人、夫30人、娘32人などだった。施設別では住宅型有料老人ホーム4件、特別養護老人ホーム3件などだった。虐待の種別(複数回答)では身体的虐待が20件(90・9)と多く、要介護度3以上の寝たきりの高齢者が被害を受ける傾向があった。
発生要因(複数回答)は、職員の虐待に関する知識不足や、チームケア体制、指導管理体制の不十分などが目立った。過去に虐待があった施設が2件あった。
(嘉陽拓也)