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6市、委託職員は対象外 ハラスメント防止規定 琉球新報11市調査 7市で「市長」含まず


6市、委託職員は対象外 ハラスメント防止規定 琉球新報11市調査 7市で「市長」含まず 南城市役所(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 上江洲 仁美

 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を受けて、琉球新報が沖縄県内11市のセクハラやパワハラなどのハラスメント防止規定に関するアンケートを実施したところ、南城市を含む沖縄市や糸満市など6市が業務委託契約者を規定の対象外としていることが22日までに分かった。対象に市長などの特別職を含んでいない自治体は那覇市など7市あった。業務委託契約者と市長の両方を規定の対象外としているのは沖縄市、糸満市、宮古島市、南城市の4市だった。

 うるま市は、ハラスメント防止規定に業務委託契約者を含まないものの、「相談がある場合には対応する」と回答。同様に、業務委託契約者を含んでいない宮古島市は「規定制定の際に想定していなかったが、今後改正を検討」と答えた。

 市長など特別職もハラスメント防止規定の対象だと回答した4市で実際に規定に明記しているのはうるま市のみ。同市は職員を地方公務員法第3条(一般職と特別職)に規定するものと定めている。

 これに対し豊見城市は「任用等の形態を問わず、市の業務に従事する全ての者」、宜野湾市は「全ての職員」、石垣市は「職員(臨時的任用職員及び非常勤職員を含む)」と記している。明確に「特別職を含む」といった文言はなく、実際に問題が起こった場合の実効性が懸念される。

 一方、特別職を含まないと回答した7市のうち那覇市、浦添市、宮古島市は市長にハラスメント疑惑が生じた場合の対応を検討していると答えた。名護市はハラスメント防止規定の対象に市長を含まず、疑惑があった際にも対応を検討していない。担当は「市長が規定の対象となることを想定していない」とした。

 ハラスメント防止の措置について総務省は、厚労省指針に基づき、地方公共団体の規模を問わず「必ず講じなければならないもの」として、規則や要綱、指針の策定を要請している。11市全てが規定を策定しているものの、権力的立場や契約形態によって自治体のハラスメント防止への対応が分かれている現状が浮き彫りになった。

 (上江洲仁美)