米軍機騒音「気になる」6割 名護の小中学生 オスプレイに不安 14年調査から3.2ポイント増


米軍機騒音「気になる」6割 名護の小中学生 オスプレイに不安 14年調査から3.2ポイント増
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 米軍機やオスプレイの騒音について、名護市教育委員会が市内の小学校5~6年生と中学生を対象にアンケートを実施し、学校で遊んでいる時や授業を受けている時に飛行機やヘリコプターの音が気になったことが「よくある」「ある」と答えた割合が61.2%に上ったことが、22日までに分かった。2014年の調査では58%で、3.2ポイント増加した。自由記述欄では「オスプレイの音を聞くと怖くなる」や「爆弾とかが落ちそうな音だから心配になる」といった声もあった。

 市教委は5月に市民団体から要請を受け、10月17日~11月30日に市内の小学校13校と中学校8校の児童生徒計3610人を対象に調査した。回答者は2338人だった。

 質問項目は琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境・音響工学)と協力して設定。14年の調査にはなかった低周波音に関する項目を追加し、計9項目で実施した。

 「オスプレイとほかの飛行機のどちらがうるさいと感じるか」の項目では「オスプレイ」が81.5%だった。「オスプレイの音を聞いて怖いと思ったりいやな気持ちになったことがあるか」については「よくある」と「ある」が合わせて32.6%だった。自由記述欄ではオスプレイなどの騒音に不安を感じるなどの回答のほか「うるさい。オスプレイ飛ばさないで」などの声もあった。

 低周波音に関する項目では、「オスプレイの音や低周波音を聞いて気分がいらいらするなどの心理的影響を感じたことがあるか」については「よくある」「ある」が合わせて21.6%。窓の振動など物理的な影響を感じたことがあるかについては14.3%が「よくある」または「ある」と回答した。

 渡嘉敷准教授は「10年前に比べ、オスプレイを含めた米軍機の飛行が北部でローテーション化している」と分析。低周波音については「(低周波音は)病気や体の弱い人などが感じやすいとされるが、元気な子どもでも心理的影響を感じると回答している。2割は決して少なくない」とし「教室だけでなく屋外でも安心して過ごせるよう、教育委員会は学校上空の飛行中止を求めるなど、積極的に騒音の改善を進めなければいけない」と話した。

(金城大樹)