石垣市内の95%で一時断水 給水車に列、市民ら「パニックです」 浄水場内のろ過装置に不具合、復旧急ぐ


石垣市内の95%で一時断水 給水車に列、市民ら「パニックです」 浄水場内のろ過装置に不具合、復旧急ぐ 給水車から容器に水を注ぐ市民ら=26日午後6時5分ごろ、石垣市美崎町
この記事を書いた人 Avatar photo 照屋 大哲

 【石垣】石垣市は石垣浄水場内の水をろ過する装置に不具合が生じたとして、26日午後2時から夕方まで、市内の約95%で断水を実施した。完全復旧はしていないが、市民生活に多大な影響を及ぼしているとして、市は午後6時ごろ、給水を再開した。同じ時間帯、市内に給水車が配置され、水を求める親子連れや飲食店関係者らがペットボトルやバケツを手に列をつくった。

 市水道部によると、25日にろ過装置に不具合が生じ始めた。26日早朝からろ過する速度が落ち、配水池の水位が減少し断水に踏み切った。給水再開後も「水圧が低い状況」が続くとして、節水を呼びかけている。ろ過装置の不具合箇所は直ったわけではなく、市職員や業者が夜通し復旧作業を続けるという。この日、市水道部には市民らから「水が出ない」「断水は何時までか」などの電話が相次いだという。

 市は26日午前9時半に浄水場の不具合により水圧が低下しているとホームページで周知した。午後1時45分に「午後2時より市内全域で断水を実施する」と告知し断水を実施、午後5時半に給水再開を知らせた。

 一方で市は同日、県を通じて自衛隊に給水作業を依頼した。自衛隊は給水車両を出動させ、給水に当たっている。

 午後6時前、多くの飲食店が立ち並ぶ市美崎町に給水車が到着した。1歳の娘を抱っこして並んでいた母親(31)は「ほ乳瓶などの衛生用品が洗えない。洗濯もできない。トイレも我慢している。娘は熱が出ていてどうしよう。パニックです」と早期の完全復旧を願った。

 飲食店アルバイトの男性(24)は出勤前の午後3時ごろ、自宅で蛇口をひねったが水が少ししか出なかった。シャワーも浴びられず除菌シートで体をふいて出勤。「早くシャワーを浴びたい」と体をさすった。

 給水車の周囲では「きょうは店を閉める」「どうなるんだろう」「市はなんで最初から少量でもいいから給水しないのか」など不安や怒りの声が上がった

(照屋大哲)