竹富島での温泉宿泊施設建設の賛否を問う臨時総会で反対の挙手をする住民＝24日、竹富島のまちなみ館
照屋 大哲 竹富町の竹富島で進む温泉宿泊施設の建設計画を巡り、地元住民から反対の声が上がっている。
竹富公民館（新田長男館長）は24日、賛否を問う臨時総会を開き、委任を含め反対165人、賛成33人、どちらとも言えない9人で、計画への反対が多数を占めた。施設の敷地が島の祭祀（さいし）を執り行う御嶽に隣接していることが主な反対理由だ。
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施設名は「ピースアイランド竹富島温泉（仮称）」で、竹富島黒潮観光（竹富町、平安秀昭代表）が計画している。21日に地鎮祭をした。
新田館長は総会で示された住民の思いを公民館の決議事項として、町や県に伝える考えを示した。
総会で反対の意見を述べた「竹富島を守る会」の阿佐伊拓会長は、会独自で実施したアンケート結果も報告した。会員107人から回答を得て、反対101人、賛成4人、その他2人で、大半が反対だった。阿佐伊会長は「島の宝である御嶽の静寂さ、伝統文化を継承する核となる荘厳さに大きな影響を及ぼす可能性がある観光施設は不要だ」と述べた。
一方、平安代表は本紙の取材に、御嶽と施設の間に石垣や竹垣を設置し、祭祀の実施には問題ないとした。これまで4回、住民説明会を実施してきたとし、建設に法的瑕疵（かし）もなく、竹富島の集落景観の保全などを定めた「竹富島憲章」も守っているとして、事業を計画通り進めていくとしている。
（照屋大哲）
