石川県で最大震度7を観測した能登半島地震の死者が6日、午前11時現在で100人となった。県などの集計で同日午前に輪島市と穴水町で新たに計6人の死亡が確認された。地震による死者が100人以上になるのは、関連死を含め276人が亡くなった2016年の熊本地震以来となる。
輪島市では建物倒壊で人が下敷きになったとの情報が100件ほどあり、自衛隊は現地の態勢を約5千人から約5400人に増強し、警察などとともに捜索を急ぐ。県によると6日午前8時現在で安否不明者は211人。被害はさらに拡大する恐れがある。
6日午前5時26分ごろには穴水町で震度5強の地震があった。石川県では7日にかけて雨が降る見込みで、気象庁が土砂災害への警戒を呼びかけた。
死者は自治体別に輪島市59人、珠洲市23人、穴水町8人、七尾市5人、志賀町2人、能登町2人、羽咋市1人。志賀町によると、5歳児の死亡を確認した。
発生から6日目となり避難が長引き、衛生面などでの懸念も出ている。石川県内では6日午前現在で、14市町の約6万6千戸が断水し、約2万4千戸が停電。道路の寸断などで支援物資も十分に行き届いていない。
約360カ所に3万人以上が避難しており、慣れない生活で心理的な負担が増加。流す水の不足によるトイレの衛生問題の改善など生活環境の整備が課題となっている。
県は輪島市と珠洲市で12日から仮設住宅の設置を開始する方針で、住まいの確保を進める。
岸田文雄首相は6日午前の非常災害対策本部会議で「一人でも多くの命を救うため、救助活動に全力を尽くしてほしい」と関係省庁に指示した。