「ゴキブリ出た」「いびきうるさい」…110番、25%が緊急性なし 護得久栄昇氏「チンダミするよ」


「ゴキブリ出た」「いびきうるさい」…110番、25%が緊急性なし 護得久栄昇氏「チンダミするよ」 110番の適正利用を呼び掛ける大御所風民謡歌手の護得久栄昇先生(左端)=10日、那覇市
この記事を書いた人 Avatar photo 高辻 浩之

 1月10日は110番の日。沖縄県警は10日、那覇市のパレットくもじ前広場で110番の適正利用を呼び掛ける啓発活動を実施した。2023年の県警の110番通報受理件数は約22万2091件で、前年比で3万3千件以上増加した。通報件数の25%に当たる約5万5千件はいたずらや間違いなどの緊急性のない通報だという。県警は通報件数増加の要因を、コロナ禍の感染症対策緩和による人流の活発化が一因と見ている。


 会場では大御所風民謡歌手の護得久栄昇先生が県警の田場義浩地域部長から一日通信指令官に任命された。護得久先生は「1日と言わず1年やってもいい」と会場を沸かせた。

 110番通報の中には「ゴキブリが部屋に出たので駆除してほしい」「母親のいびきがうるさい」「テレビでボクシングの試合を見ていたが、判定結果に納得がいかない。八百長かどうか調べてほしい」といった急を要しない通報が多くあり、これらが事件や事故に関する通報の妨げになっているという。護得久一日通信指令官は「しっかり考えて110番通報しないとチンダミするよ」と適正利用を訴え、緊急以外の要望や相談は「♯9110」へと、こぶしを利かせて呼び掛けた。

 「チンダミ」とは、三線を調弦するという意味。護得久栄昇氏は「歪んだ精神や考え方を正す」という意味で多用している。