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沖縄で起きた事件から事例を報告 犯罪被害者支援 二次被害の予防を訴え 那覇で全国交流会


沖縄で起きた事件から事例を報告 犯罪被害者支援 二次被害の予防を訴え 那覇で全国交流会 第25回犯罪被害者支援全国経験交流集会で登壇するパネリストら=26日、那覇市の県市町村自治会館
この記事を書いた人 Avatar photo 金良 孝矢

 犯罪被害者や遺族らへの二次被害の予防などを考える「第25回犯罪被害者支援全国経験交流集会」が26日、那覇市の県市町村自治会館で開かれた。全国各地の弁護士や支援団体関係者ら約350人が、オンラインも含めて参加。支援の在り方について理解を深めた。集会は日本弁護士連合会や沖縄弁護士会、九州弁護士会連合会の主催で、沖縄開催は初。

 被害者支援に携わる沖縄弁護士会の村上尚子弁護士が登壇し、沖縄で起きた米軍人らによる三つの性犯罪事件を報告した。沖縄の歴史的経緯から注目されたが、被害者・遺族側が捜査機関の聴取やメディア取材に疲弊した状況を紹介。メディア対応を弁護士が担う大切さを説き、「弁護士による一刻も早い被害者支援が必要。プライバシー保護の徹底、補償を確実にする制度や法整備も必要だ」と指摘した。

 また性暴力被害者支援の強姦救援センター・沖縄「REICO(レイコ)」のスタッフを務めるなどした精神科医の佐村瑞恵さんが講演し、被害に遭った時の反応について説明した。被害者は命を守るために固まり、時間の連続性が断たれてしまうことなどから、「覚えていないのが当たり前。証言は変遷する」と強調した。

 登壇者らによるパネル討論では、21年検察官を務めた田仲信介弁護士(沖縄弁護士会)が出席。捜査機関から支援側に立場が変わり、「景色が違うと実感した。分かったつもりにならないことが非常に大事だ」と述べた。コーディネーターは「犯罪被害者支援ひだまりの会okinawa」の河井耕治弁護士(沖縄弁護士会)が担った。

 (金良孝矢)