避難受験生に学び支援 能登地震 那覇の進学塾、無償で


避難受験生に学び支援 能登地震 那覇の進学塾、無償で 石川県七尾市から避難していた男子生徒の受験勉強を支援する講師(中央)と仲宗根麻紀代表(左)=28日、那覇市壺屋のインフィニティ進学スクール
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 能登半島地震の被災者の県内での受け入れが始まる中、避難している子どもたちに無償で学びの場を提供している学習塾がある。那覇市壺屋の「インフィニティ進学スクール」だ。

 きっかけは、石川県七尾市から高校受験を控えた中学3年の男子生徒(15)が沖縄に避難してきたと伝えた報道。仲宗根麻紀代表(42)が報道機関を通して生徒の家族と連絡を取り、11日から受け入れた。

 塾には、易しい言葉で子どもたちに大学レベルの内容まで教えられるM塾頭がいる。国立大客員教授の肩書きも持つ先生だ。最初はおとなしそうだった男子生徒も「余震の心配がなく、先生がフレンドリー」といってすぐに溶け込み、ほぼ毎日、塾で勉強するようになった。

 2月1日が志望校の受験日で、石川に戻る前日となった28日。「高校では陸上競技をやり、大学では経済学を学びたい」と夢を語った男子生徒は「帰りたくない」とつぶやいたが、M塾頭は「いいところまで来ているから、まずは今の志望校に合格することが大事」と送り出した。

 塾ではこれまでもひとり親世帯の塾生への受講料減免や、不登校の子の支援に取り組んできた。

 仲宗根代表は今後も避難者の子どもを無償で受け入れる予定で、状況によってはホームステイも受け入れる考えだ。「環境に左右されず、子どもたちが安心して伸び伸びと学習できる環境を提供したい」と話している。問い合わせは、仲宗根代表の電話090(1947)1746まで。

(南彰)

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