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「思考停止」政府を批判 ノーモア沖縄戦の会「台湾有事論」巡り意見交換 布施祐仁氏が講演 那覇


「思考停止」政府を批判 ノーモア沖縄戦の会「台湾有事論」巡り意見交換 布施祐仁氏が講演 那覇 「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」と意見交換するジャーナリストの布施祐仁さん(左から2人目)=那覇市の教育福祉会館
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 ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会は1月28日、ジャーナリストの布施祐仁氏を招き、「私たちは戦争をさせないためにどうするか」をテーマにした講演・意見交換会を那覇市の教育福祉会館で開いた。

 布施氏は、南西諸島で防衛強化が進められているのは、台湾有事の時に米軍の作戦拠点として攻撃を受けるリスクが生まれているからだ、と説明。平和を維持するカギは「米中関係の安定」にあると指摘した。

 自民党の麻生太郎副総裁が「戦う覚悟」と発言するなど、日本の政権幹部が台湾有事をあおっていることについて、「アメリカについていけば大丈夫と思考停止している」と批判。「日本は中国に軍事的に対抗し、大国の覇権争いを激化する方向に行っているが、そこを変えることが一番大事だ」と説いた。

 ノーモアの具志堅隆松共同代表は、昨年11月の県民平和大集会の際に、中国の新華社通信の取材に「沖縄にも中国が入ってくることを心配する人がいる。中国政府が沖縄には一切軍事的な干渉をしないことを国際公約すれば、平和運動を沖縄の基地撤去にシフトすることも視野に入れている」と話したことを紹介した。

 布施氏は「一つのアイデアだ」と語り、東南アジア諸国連合(ASEAN)のように「主体性を持って、自分の頭を使った平和外交」へと転換していく必要性を訴えた。

 また、宮古島市の下地茜市議は、軍民共用の特定利用空港・港湾(特定重要拠点)制度について、ジュネーブ条約の「文民保護」の対象になるのか否か、国が明らかにしていない問題を指摘。「配備の時は『自衛隊が守ってくれる』という言い方で(地元が)受け入れてきたが真逆だ」と語った。
 (南彰)