「人々の忍耐強さに驚いた」 スウェーデンの教授らが来沖、沖縄が抱える問題学ぶ 抵抗の歴史パレスチナやアラブの春に重ねる


「人々の忍耐強さに驚いた」 スウェーデンの教授らが来沖、沖縄が抱える問題学ぶ 抵抗の歴史パレスチナやアラブの春に重ねる 「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(左端)から沖縄での運動などの話を聞くスウェーデンのヨーテボリ大学のマイケル・バーズ教授(右)ら=4日、糸満市の県平和祈念資料館
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 北欧諸国で最も大きな大学の一つである、スウェーデンのヨーテボリ大学のマイケル・バーズ教授(57)=国際法=とマイケル・シュルツ教授(57)=平和学=らが、沖縄が抱える問題や歴史を学ぶため、1月28日から来県している。平和を求める市民運動の長い歴史に「他の地域では見られない、沖縄の人々の忍耐強さに驚いた」(バーズ教授)などと話し、今後の研究や授業に役立てていくという。

 教授らは辺野古での新基地建設に反対する人たちのインタビューや、嘉手納基地、普天間基地の視察を行ったほか、有機フッ素化合物(PFAS)問題、遺骨収集ボランティア活動などについて学んだ。調査最終日の4日、一行は糸満市の県平和祈念資料館を訪れ、遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表から沖縄での市民運動や沖縄戦などについて聞いた。

 教授らはこれまで、カンボジアやパレスチナなど、9カ国以上で調査を続けている。2016年と17年に市民運動などの調査をするため東京に来た際、平和活動家から沖縄の紹介があった。コロナ禍を経て、来県しての調査に踏み切った。中東の専門家として40年以上研究活動を続けているシュルツ教授は「沖縄での抵抗を、パレスチナ問題やアラブの春に重ね合わせた」と感銘を受けた。「メディアでの報道や裁判などを通してガザの状況が良くなるなどの成功例がある。学術的な研究が沖縄の平和につながれば良い」と話した。バーズ教授は「沖縄の複雑な状況を今後、学生への授業の場や、論文などで生かしたい」と今後の展望を語った。

(與那覇智早)