世界自然遺産の沖縄県竹富町西表島で、ガイドが案内できる客数を制限した町観光案内人条例は営業の自由を保障する憲法に違反するなどとして、同島で営業する地元最大手のツアー会社が町に制限の取り消しなどを求めて13日にも、那覇地裁へ提訴することが関係者への取材で9日までに分かった。
町は環境保全などの目的で昨年11月に現在の改正条例を施行した。内容は基準を満たしたガイドに事業を認める免許制度で陸域にある川のカヌーガイドで案内できる客数を制限するなどしている。免許交付を受けた事業者は115に上るという。
訴状によると、原告の会社は陸域での制限により「営業できる権利(地位)を奪われている」と主張した。その経済的不利益は事業者の中で「原告だけ」と指摘する。制限はエコツーリズム推進法の範囲を超え、地方自治法にも反するなどとした。条例規定にかかわらず、制限なく営業できる地位確認も求めている。
同社は取材に対し「一業者に制限をかけても他の業者に客が流れるだけで、環境保護の合理性や根拠がない」と訴えた。以前は1日200人以上を案内することもあったが、制限後は9割以上減っているという。
町は提訴について「訴状が届いておらず、内容も分からないのでコメントできない」とした。