笑顔　感動久々　おきなわマラソン　演奏、給水　走者後押し　

【中部】青空と季節外れの暖かな天気に恵まれた第２９回２０２４おきなわマラソン。新型コロナウイルス感染症を経て４年ぶりの開催となった。中部の街は一心にゴールを目指すランナーと、その背中を後押ししようと声援を送る人の姿であふれた。ランナーには年齢の壁や病気を乗り越えて参加する人や、メディカルランナーとして参加者を支えながら走る人もいた。沿道はバンドやエイサーなど多彩な応援が繰り広げられた。ランナーも写真や動画を撮って、久しぶりのおきなわマラソンを全力で楽しんだ。
４年ぶりの大会は晴天となり、７９０７人がそれぞれの目標に向かって中部の街を走り抜けた。序盤の難所である勝連城跡前の急坂では、手前の交差点で具志川中学校マーチングバンド部が演奏でランナーを後押しした。部長の赤嶺翠さん（１４）は「気力を保って楽しく走り切って」と明るい雰囲気の曲を選んだ。
「頑張れー」。声をからして声援を送るのは與那城未夏さん（１３）＝西原東中１年。２０キロ地点のうるま市川崎の給水所で水を手渡した。
暑さが増してきた正午前。中間地点を過ぎた沖縄市登川では焼き肉の香ばしい匂いが立ち込めた。沖縄市農業青年クラブは焼き肉やおにぎり、トマトや大根の酢漬けを用意した。仲宗根裕人会長（３０）は「（４年ぶりで）懐かしい感じ。今回もやってよかった」とすがすがしい表情を見せた。
２４キロ付近、家族でスナック菓子を配った島袋葵羽（あおば）さん（１１）＝那覇市。「ハイタッチを返してくれてうれしい」と満面の笑みだ。後半の２８・８キロ地点、コースは嘉手納基地に入る。第２ゲートで基地内の子どもたちが軽快なエイサーで出迎え。普段入ることのできない基地内でランナーは広々とした風景を楽しんだ。
ボランティアで集まった米軍関係者らは「レッツゴー！」と英語で熱い声援を送った。ミリー・ブラウンさん（２１）は「興奮している。ランナーの姿は自分を駆り立ててくれる」と笑顔で話した。
ゴールの県総合運動公園。スタジアムに入るとランナーは最後の力を振り絞りラストスパートへ。会場の声援を受け、大粒の汗と共に達成感をかみ締め両手を挙げた。
（金盛文香、石井恵理菜）