カムイサウルスが沖縄に来た! 2200万円投じた「奇跡の恐竜」レプリカ寄贈 北海道の植田さん、慰霊の祈り込め【動画あり】


カムイサウルスが沖縄に来た! 2200万円投じた「奇跡の恐竜」レプリカ寄贈 北海道の植田さん、慰霊の祈り込め【動画あり】 カムイサウルスの骨格レプリカと寄贈者の植田英隆さん=20日、那覇市の県立博物館・美術館(喜瀨守昭撮影)
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 北海道むかわ町で発見された恐竜「カムイサウルス」の骨格レプリカがこのほど植田英隆さん(78)=北海道札幌市在住=から那覇市おもろまちの県立博物館・美術館に寄贈され、20日に1階エントランスホールで披露された。

 カムイサウルスは発見された恐竜の全身骨格としては国内最大。むかわ町以外でレプリカが収蔵されたのは初めてとなる。全長7・5メートル、高さ3・2メートルの骨格レプリカは、同館のエントランスホールで12月中旬ごろまで公開する。

 カムイサウルスは2003年にむかわ町の山中で発見された。白亜紀後期、約7200万年前の地層から発見され、当時は海底だったとみられる。全身の約6割の骨が残されていて、保存状態の良さから「奇跡の恐竜」と呼ばれている。

 植田さんは1974年に旅行で来県した際に、ひめゆりの塔を訪ねて沖縄戦のむごたらしさを学び、日本復帰後も基地が集中し続ける沖縄の現状などに衝撃を受けた。自身も生後に母親に抱かれて防空壕に入り難を逃れた。北海道で会社を経営する傍ら平和運動にも参加し、本紙を購読するなどして沖縄に思いを寄せ続けていた。

 母純子(すみこ)さんが昨年100歳を迎えた記念としてレプリカを購入。戦争犠牲者への慰霊の祈り、沖縄経済の振興発展の思いを込めて県立博物館・美術館への寄贈を決めた。レプリカはむかわ町の地域商社「M Dino(エムディノ)」が販売し、製造の参考価格は2200万円に上る。

 植田さんは20日の公開に参加し、玉城デニー知事から寄贈に関する感謝状を授与された。寄贈できたことを「うれしい」と笑みを浮かべ「好奇心を持って見てほしい」と話した。

 今後、企画展での展示や離島での公開なども計画している。 

(小波津智也)