小学校の通学かばんについて、那覇市教育委員会は21日、保護者がランドセル以外のかばんも選択できるよう市内全小学校36校に対して周知することを表明した。21日の市議会一般質問で名嘉原安志学校教育部長が吉里明氏(公明)に答えた。
名嘉原氏はランドセルになじみがない外国籍の子どもが増加傾向にあるとして、「多文化共生の視点を踏まえ、保護者が自由に選択できるよう周知していきたい」と語った。
ランドセルを巡っては、沖縄市立山内小学校が保護者に向けた手紙で通学かばんはランドセルでなくてもよいと周知していたことが分かり、反響を呼んでいた。
ランドセルの使用は法律などで定められたものではないが、学校側からの指示や慣例として使用する家庭がほとんどとなっている。実際、那覇市教育委員会が市内小学校に確認したところ、多くの小学校で、1月後半から2月初旬にかけて行う入学説明会の資料で、「準備する物」の一つとして、ランドセルを挙げていることが分かったという。
市によると、2023年5月時点で、市内小学校に通う外国籍の児童は113人おり、増加傾向となっている。
質問に立った吉里議員は「ランドセルに慣れていない外国の子どもを含め、全保護者にとっても経済的負担軽減や子どもたちの負担軽減にもつながる」とし、積極的に選択の自由があることを周知するよう求めた。
(吉田健一)