「ランドセルでなくてもいいよ」沖縄市の山内小が保護者へ通知 子どもの体や金銭負担を考慮  


「ランドセルでなくてもいいよ」沖縄市の山内小が保護者へ通知 子どもの体や金銭負担を考慮   ランドセルを背負って下校する沖縄市立山内小学校の児童ら =16日、沖縄市の同校
この記事を書いた人 Avatar photo 福田 修平

 【沖縄】沖縄市立山内小学校はこのほど、通学に使うかばんはランドセルでなくてもよいとする手紙を全校児童の保護者と山内幼稚園の園児の保護者らに配った。ランドセルの使用は法律などで決まった義務ではなく、慣習だ。高価であることや、重さによる体への負担などを考慮し、手紙を出したという。

 「慣例としてランドセルを購入し使用するご家庭は多いと思いますが、実はランドセルでなければならないと決まっているわけではありません」

 手紙では、小さな体に背負うことで心身に悪影響が出る「ランドセル症候群」や、高額であることの懸念を指摘。通学かばんはランドセルでなくても軽く丈夫なものならよく「通学かばんにふさわしいものを選んでいただきたい」としている。

 ランドセルの使用は各学校の判断に任されている。

 山内小学校でもこの手紙を出す以前からランドセルを義務としていなかったが、現在も児童のほぼ全員がランドセルで登校しているという。

 森山涼子校長は、以前から児童のほぼ全員がランドセルを使うことに疑問を抱いていた。「周りと同じ物がいい」という気持ちもあると推測するが、「さまざまな形を受け入れる社会になり、子どもたちには自分で物事を選ぶ力をつけてほしい」と期待する。

 ランドセルが負担になっている家庭の状況なども考え、他校の校長とも相談した上、手紙を出すことを決めたという。

 2日に開催した入学説明会でも改めて説明した。児童の祖父母から特に良い反応があったという。保護者からはありがたいが、子どもがほしがるならランドセルを購入するとの声も届いているという。

 森山校長は「慣習にとらわれず、家庭で相談して選択をしてほしい」と述べた。

(福田修平)