一大イベントも、保護者にとっては大きな負担 小学校で2万円、中学校で8万円 <比べる!備える!家計から出る教育費>(11)修学旅行(1/3ページ)


一大イベントも、保護者にとっては大きな負担 小学校で2万円、中学校で8万円 <比べる!備える!家計から出る教育費>(11)修学旅行(1/3ページ)
この記事を書いた人 Avatar photo 熊谷 樹

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学校生活で児童生徒が最も楽しみにしている行事のひとつに修学旅行がある。親元を離れ、見知らぬ場所で友人たちと過ごす数日は、大切な思い出となること間違いない。一方、その費用は一部自治体を除き、保護者の負担となる。家計で負担する教育費について取り上げるシリーズの最終回は、小中学校の修学旅行費について考える。

一括での支払い 月の生活費の半分以上

昨年10月末。本島南部の中学校で行われた修学旅行説明会。資料を見て女性=40代=はため息をついた。修学旅行は年明けに2泊3日で、京都、奈良、大阪を予定しており、費用は7万9200円。約1カ月後の12月上旬までに一括で納入するよう書かれていた。女性はシングルマザーで手取りは10万円以下。就学援助を受給しているため、旅費の一部は還付される。とはいえ「1カ月の生活費の半分以上に当たる8万円を一度に支払うのは大変だった」と振り返る。

旅程の目玉はユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの自由時間。1日フリーパス入場券は旅費に含まれるが、現地での食事やお土産代は各自の小遣いから支払う。娘の同級生の母親らは学校指定の1万5千円の小遣いでは「足りないだろうから」と3万円は持たせるという。「同じグループなのに娘だけお金を気にして楽しめないのは申し訳ない」と、小遣いも3万円持たせた。

結局、就学援助で修学旅行費のうち6万円ほどが戻った。修学旅行の思い出を笑顔で語る娘を見て、費用の工面は大変だったが行かせて良かったと心から思う。しかし「一括で支払うのは本当に大変だった。支払いを一括か分割かで選べるようにしたり、就学援助を事前に支給して保護者負担を軽減する方法をとってほしい」と願う。

別の40代の女性は、中2の長男が修学旅行だった。修学旅行のために旅行用トランク、デジカメ、防寒対策に厚手の肌着も購入した。8万5千円の旅費と2万円の小遣い、このために購入した品の費用を合わせると13万円を超えた。「思った以上にかかった。長男が高2のときに、次男は中2となる。同じ年に2人分の修学旅行費を支払うのは大変。今から積み立てておかなくては」と眉をひそめる。

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