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高齢、障がい…ウクライナ避難者「自立」厳しい人も 支援縮小で置き去りに 対応変更に疑問の声も 沖縄


高齢、障がい…ウクライナ避難者「自立」厳しい人も 支援縮小で置き去りに 対応変更に疑問の声も 沖縄 イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 万里子

 ウクライナ避難民について、政府が自立に重きを置く一方、中には高齢者や障がいのある人など、日本語の習得や就職が難しい人もいる。公的支援が縮小方向に向かう中、県国際交流・人材育成財団(宜野湾市)の根来全功(まさのり)課長は「支援がなくなれば、自立できない人たちは置き去りになってしまう」と指摘する。

 根来課長によると、沖縄に来ている避難者の中には要介護認定を受けている人や、高齢で狭心症の手術を受けた人もいる。そもそも18~60歳の男性は兵役の対象のため、出国できるのは基本的に子どもや60歳以上。このため就職や自立が「その年齢からでは難しい事情もある」という。

 携帯電話会社が無料で提供してきたサービスは3月末で終了する。公営住宅の提供支援もいつまで続くか分からない状況だ。県によると、県営住宅や市営住宅などに入居しているのは9部屋に20人。県住宅課の担当者は「県営住宅は入居時期に応じて終了時期が決まっており、延長するかどうかは個々人の状況に応じて判断される」と話す。

 根来課長は「避難者らはここに長くいられない、他の場所に行かなければいけないかも、と思い始めている。自立できず言葉が分からなくても帰れない人もいる。想定できた事態で、なぜ今になって対応を変えるのか」と疑問を呈す。

 県交流推進課の担当者は「自立を促す時期に来ている、という国の方針から、県も自立支援に重きを置いたものにしないといけない。もし避難民を採用したいという企業がいれば課に連絡してほしい」と話す。

 (中村万里子)