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「白紙撤回」保革を超えた 住民ら運動の広がり実感 うるま陸自訓練場整備計画 沖縄


「白紙撤回」保革を超えた 住民ら運動の広がり実感 うるま陸自訓練場整備計画 沖縄 うるま市石川の陸上自衛隊訓練場整備候補地となっているゴルフ場跡地と、周辺に広がる住宅地=13日、うるま市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党県連が27日、うるま市石川への陸上自衛隊訓練場整備計画について「白紙撤回」を求める考えを示したことを受け、地元住民からは「全体の世論が撤回に向かっている」と広がりを実感する声が上がった。

 「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」準備会で事務局長を務める旭区在住の伊波洋正さんは、「撤回を求めて展開している運動が形になってきた」と手応えを感じる。「閑静な住宅街に隣接した訓練場は絶対に認められない、と政治的立場を超えて一致してきた」と思いを語る。

 旭区は計画撤回を求める請願を市議会に提出している。県議会でも撤回への動きが増す中、「ぜひ全会一致で通してほしい」と市議会に要望した。

 今月24日に発足した超党派で計画の白紙撤回を求める「元石川市議会議員OB会」。会長を務める元石川市議会議長で元自民党県議の伊波常洋さんは、自民県連の対応に「よく判断してくれた。県民の支持が広がっていると思う。県議会が超党派で白紙撤回を求める決議への流れもできるはずだ」と期待した。保守系の議員として活動してきた伊波さんだが「政党の問題ではない。予定地は市が都市計画として住みよい環境を整備してきた。国のやり方はあまりにも横柄で白紙撤回を求める以外にない」と厳しく批判した。

 旭区自治会評議委員の安田公さんは「一歩前進した。県連の発言は防衛大臣にも影響が及ぶのではないか」と期待を寄せた。

 賛否を示さない中村正人うるま市長に対して「県連のコメントを真摯(しんし)に受け止めて、再検討を防衛省に求めてほしい」とした。「計画の白紙撤回への望みが数%増えた。反対運動が功を奏した。活動を続けていく」と意欲を見せた。 (金盛文香、島袋良太)