日本自然保護協会は29日、米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の移設が計画されている浦添市西海岸で、生きたサンゴが海底を覆う面積(被度)を調べる「リーフチェック」を実施した。
同市西洲のサンエー浦添西海岸パルコシティから沖合に約400メートル、水深1・5メートルの地点を調査したところ被度は50・6%だった。前回2023年の53・8%と比べて低下しているが「健全度は高い」と評価した。
世界同一の手法でサンゴ礁の健康度を測る調査で、ダイバー7人で長さ100メートルの範囲でサンゴや魚の種類を調べた。ミドリイシやキクメイシ、ハマサンゴなどが確認されたほか、チョウチョウウオやブダイ、クマノミなど多数が確認された。
同協会の安部真理子主任によると、調査点を示すラインが一部砂地を通過したことや、23年夏に本島に接近した台風6号の影響でサンゴがひっくり返っている箇所もあったことが被度低下の要因とする。
安部主任は「商業施設に近い場所で健全度の高いサンゴが残っており、保全する価値がある。サンゴを大切にしSDGsを推進する県が埋め立てを進めるのは信じられない」と述べた。
(慶田城七瀬)