国道58号ひき逃げ、20代米兵を書類送検へ 沖縄県警、過失運転致傷疑い 宜野湾で事件後、車放置し基地内へ逃走


国道58号ひき逃げ、20代米兵を書類送検へ 沖縄県警、過失運転致傷疑い 宜野湾で事件後、車放置し基地内へ逃走 沖縄県警察本部(資料写真)
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 宜野湾市真志喜の国道58号で昨年、走行中の車同士が衝突し、男女3人が骨折などの重傷を負ったひき逃げ事件で、県警は1日にも、衝突したYナンバー車両を運転していた普天間基地所属で米海兵隊員の20代男性を、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑などで書類送検する方針を固めた。事件発生後、海兵隊員は現場付近に車を放置し、基地内に逃走していた。

 事件は2023年9月16日午前3時40分ごろに発生。宜野湾市の伊佐交差点方面から大謝名交差点向けに走行していたYナンバー車両が、前を走っていた軽自動車の左後部に衝突した。その後、現場から数十メートル先の路地で同車両が発見された。

 海兵隊員は警察官の到着直前に、後部座席にいた米軍関係者の男女を残し、付近の民家敷地内を通り抜けるなどして基地内へと逃走したとみられる。軽自動車に乗車していた男女計3人は骨折や打撲等のけがを負ったという。

 関係者によると、現場は緩やかなカーブで、海兵隊員は法定速度を大きく超えた状態で進行し、衝突事故を起こしたとみられる。被害車両に付着していた赤い塗料や現場に散乱した部品などからYナンバー車両を特定し、運転していた海兵隊員を割り出した。

 宜野湾署は米軍の捜査機関と連携し、海兵隊員から任意で事情聴取をするなど捜査を進め、同容疑で那覇地検に書類送致する方針を固めた。警察の調べに「事故を起こし、動揺して逃げた」などと話しているという。

 事件発生の数分前、同市の伊佐交差点付近で、海兵隊員の車にパトロール中の警察官が停車を求めた。海兵隊員は信号待ちの間に、車を急発進させパトカーを振り切って逃走し、約2・5キロ先の現場で衝突事故を起こしたとみられている。