県公文書館が所蔵する資料を通し、戦前と戦後の沖縄の歴史や琉球政府の記録が残されることになった経緯をたどる「記録がつなぐ沖縄」が2月29日、南風原町の同館で始まった。琉球国の国王が書いた文書、沖縄戦さなかの米軍の基地建設計画の書類、戦後の琉球政府の文書など128点を展示している。
1950年代の強制帰還者名簿や本土に住む沖縄出身者が切々と訴える永住許可申請書からは、72年まで沖縄を統治していた米国民政府(USCAR)が本土出身者などを「非琉球人」として取り締まりを厳しくした状況が読み取れる。また、50年代、大規模な軍用地の接収で土地が不足する一方、急増する人口対策として、琉球政府は過酷な環境のボリビアへの移住を進めた。それに関する資料も展示されている。
(中村万里子)