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春の潮風、島々を駆け抜けるランナーたち 黒糖や水を手に「頑張れ!」声援熱く あやはしロードレース 沖縄


春の潮風、島々を駆け抜けるランナーたち 黒糖や水を手に「頑張れ!」声援熱く あやはしロードレース 沖縄 沿道から熱い声援を送る人たち=3日午後、うるま市与那城(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 福田 修平

 冷え込んだ曇り空の下、3923人のランナーが挑んだ第22回あやはし海中ロードレース大会。レース中盤ごろから時折晴れ間ものぞく中、橋でつながる風光明媚(ふうこうめいび)な島々をランナーが駆け抜けた。

 沿道には大勢のボランティアらが集まって声援を送り、水や冷えたスポンジ、黒糖などをランナーへ届け、大会を盛り上げた。

 ウオーミングアップを終えたランナーは防寒具を脱ぎ、午前9時にうるま市与那城総合運動公園を出発。最初の折り返し地点の宮城島桃原付近で、伊計自治会の我喜屋元四郎さん(89)は、鍋に色を塗った手作りのドラを持って応援した。「今日のために作った。ハーリーなどで応援は慣れたもの」と自信を見せた。

 午前9時40分ごろ、先頭のランナーが駆け抜けると同会の子どもらは「すごい」「早い」と歓声を上げた。
 平安座島の平宮護岸の壁画前で懸命に声援を送った、上地櫻子さん(9)は「3人連続でスポンジを取ってくれた」と興奮気味。「大きい声で応援して、しっかり手を伸ばして渡した」と笑顔を見せた。

 ハーフマラソンの半分地点を過ぎたランナーらは、アップダウンが激しい浜比嘉大橋へ。午前11時ごろに太陽も出始め、ランナーを照りつけた。

 同橋の復路、約15キロ地点で1人で懸命にコーラとスポーツドリンクをコップに注いでいたのは、琉球トータル引越サービスからボランティアで参加した末吉衛さん(57)。ランナーとしての経験から「終盤のコーラはランナーにとってありがたい。これまでのマラソンの恩返しのつもり」とドリンクを配り続けた。

 20キロ地点の平安座海中大橋辺りを過ぎた最終盤、ゴールに向けランナーが力を振り絞る中、うるま市でカフェを営む佐久田景子さん(80)は「ランナーには一番きつい所なので最後の人まで声援を送りたい」と話した。ハーフマラソンを走り終えた比嘉悠祐さん(25)は「目標タイムは達成できなかったが、沿道の声援はとても温かく自然と足が動いた」と達成感をにじませた。 

(福田修平)