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平和へ新たな「青い目の人形」 沖縄の県立図書館へ 戦前寄贈者の孫が託す


平和へ新たな「青い目の人形」 沖縄の県立図書館へ 戦前寄贈者の孫が託す 新たな青い目の人形を県立図書館の宮城威館長(右)に贈る、フリーアナウンサーの伊良皆善子さん=3日、那覇市泉崎(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 小波津 智也

 1927年に米国から友好の証として日本に贈られた「青い目の人形」。かつて贈られた記録が残るものの現存しない沖縄に、平和への思いが込められた新たな青い目の人形2体がこのほど米国から届けられ、4日に那覇市の県立図書館で贈呈式が開かれた。

 米国人宣教師シドニー・ギューリックが1927年、日米関係の親善を願い約1万3千体の「友情人形」を日本の子どもたちに贈った。当時日本で歌われていた童謡にちなみ「青い目の人形」と呼ばれるようになった。

 人形は沖縄にも66体届いたとされているものの、現存は確認されていない。祖父の遺志を継ぎ約40年前から新たに青い目の人形を日本各地に贈り続けている、孫のギューリック3世さんが昨年5月に来県し、人形2体をフリーアナウンサー伊良皆善子さんらの団体に託していた。

 贈呈式では伊良皆さんが宮城威館長に「ケイティ」「ダイアン」の2体を手渡した。伊良皆さんは友好の証として贈られた人形が、太平洋戦争によって廃棄された歴史に言及し、「戦争は人の心も悲しくなる」と声を落とす。自身が県内で人形を探す活動をしていることに触れ「諦めずに探していきたい」と話し、平和の大切さを訴えた。
 (小波津智也)