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「平和に暮らしたい」 「標的」への不安の声


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【うるま】うるま市の勝連分屯地への12式地対艦ミサイル配備に向けて10日、トラックやトレーラーが中城湾港へ陸揚げされた。
 12式地対艦ミサイルは将来的に長射程化し、敵基地攻撃能力(反撃能力)を担う可能性がある。勝連分屯地周辺の住民は「標的」となることへの不安を口にした。
 勝連分屯地から1キロ以内に住む70代男性は「相手にとって強力な攻撃手段から破壊される。真っ先にここが狙われる」と懸念した。男性は生まれた時から与勝地域に住む。「平和に暮らしたいだけなのに、米軍や自衛隊が土足で入り込んで来ている」と不満を口にした。
 「近くに住んでいるため不安だ」と話す男性(31)は、勝連分屯地前の抗議集会でミサイル配備のことを知った。「攻撃されるという不安がある」と語るも「沖縄に住んでいる以上、基地がある以上、仕方ないのではないか」と諦めた様子で話した。
 野原吉常さん(46)は分屯地での訓練の音が聞こえるほどの距離に住む。「ミサイル連隊本部も置かれ、敵基地攻撃能力も担うとなると、集中砲火される」と懸念を示す。「逃げる場所もない。何かあったら壊滅。終わりだ」と憂えた。 (金盛文香、石井恵理菜)