「本当はやりたくない」「物流止め、心が痛い」 でも「安全担保されない」 米軍艦の石垣寄港で労組スト 沖縄


「本当はやりたくない」「物流止め、心が痛い」 でも「安全担保されない」 米軍艦の石垣寄港で労組スト 沖縄 全港湾沖縄地方本部のストを受けて、貨物を乗せたまま石垣港に接岸する船舶=11日午後3時50分ごろ
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 【石垣】米海軍のミサイル駆逐艦の石垣港寄港を受け、全日本港湾労働組合(全港湾)沖縄地方本部は11日午後、同港でストライキを実施した。関係者は物流が止まることを念頭に「組合員の職域安全が担保されない」「本当はストをやりたくない」など、複雑な心境を語った。市内の量販店からは「影響が読めない」と不安視する声も漏れた。

 同日午後1時から始まったストでは、組合員にスト中は労働しないことや帰宅できないことを確認した。全港湾沖縄地方本部の諸見力書記長は「(米海軍は)混乱が生じると分かっていながら、なぜ石垣港を使用したのか」と批判した。

 50代男性は「本当は(ストを)やりたくなかった。そもそも米駆逐艦が寄港しなければよかった。市民のことを思うと物流を止めるのは心が痛い」と視線を落とした。市に対し、乗員を上陸させないなど「何らかの対応ができなかったか」と疑問を呈した。

 ストを受け、港内に接岸した船舶は貨物を陸揚げすることなく停泊していた。量販店の関係者は「ストで物流が止まった経験がないので、影響が読めない」と話す。花屋を営む40代男性は「ストを見越して発注していたので、こちらの店の影響は限定的ではないか」と予想した。 (照屋大哲、友寄開)