会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の3月例会は13日、那覇市のザ・ナハテラスで開催される。講師は東京大学大学院総合文化研究科准教授の斎藤幸平氏。演題は「人新世の複合危機」。
2023年も世界平均気温が観測史上最高を記録するなど、気候危機は深刻化している。今後はさらに、いくつもの危機が絡み合う複合危機をもたらすことが予想されており、飢餓や戦争を防ぐための道をマルクスとともに考え、展望する。
斎藤氏は1987年生まれ。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。2018年に邦訳「大洪水の前に」(角川ソフィア文庫)で、権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初、歴代最年少の31歳で受賞する。同書は世界7カ国で翻訳刊行されている。
日本国内では、晩期マルクスをめぐる先駆的な研究によって「日本学術振興会賞」を受賞した。
近刊としては「ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた」(KADOKAWA)、「ゼロからの『資本論』」(NHK新書)などがある。45万部を超えるベストセラー「人新世の『資本論』」(集英社新書)で「新書大賞2021」を受賞した。
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