<訃報>仲地哲夫さん死去 83歳 沖国大名誉教授 農村構造研究で東恩納寛惇賞


<訃報>仲地哲夫さん死去 83歳 沖国大名誉教授 農村構造研究で東恩納寛惇賞 仲地哲夫氏
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 近世・近代の農村構造研究で第28回東恩納寛惇賞を受賞した沖縄国際大学名誉教授の仲地哲夫(なかち・てつお)さんが15日午後9時41分、心筋梗塞のため北中城村の病院で死去した。83歳。本部町崎本部出身。自宅は中城村南上原。葬儀は18日に近親者のみで行った。喪主は長男耕(こう)さん。

 仲地さんは1940年生まれ。琉球政府県史編集事務局を経て78年に沖国大南島文化研究所主事となり、沖国大教授、同研究所所長などを務めた。

 近世史研究では王府の農業指南書「農務帳」の現代語訳など、近代史では農村のウェーキ(資産家)とシカマ(雇い人)の研究などに取り組んだ。徹底した史料収集と分析、聞き取り調査で近世琉球・近代沖縄の農村の社会構造を明らかにし、2011年に東恩納寛惇賞を受賞。南島文化研究所では多くの学際的共同研究や講座、研究会を実施した。県内各地の市町村史編集にも関わった。 

(伊佐尚記)