「貴重な体験できた」一方で…「メンタル削られた」 裁判員経験者が意見交換、課題を共有 那覇地裁・沖縄


「貴重な体験できた」一方で…「メンタル削られた」 裁判員経験者が意見交換、課題を共有 那覇地裁・沖縄 裁判員経験者らと裁判官、検察官、弁護士による意見交換会=7日、那覇市の同地裁(代表撮影)
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 那覇地裁(高松宏之所長)は7日、裁判員制度運用の参考にするため、裁判員経験者らと裁判官、検察官、弁護士による意見交換会を那覇市の同地裁で開いた。経験者らから「貴重な体験をした」と制度を評価する声があった一方、人を裁く責任の重さに対する精神的ケアの必要性を求める意見もあった。

 今回参加した裁判員経験者らは、2021年10月~23年10月に7事件を審理した裁判員と補充裁判員の男女7人。このうち4人は初めて法廷に足を運んだという。制度を通して法律や人権に対する理解を深めたほか、裁判所の役割を身近に感じた様子だった。

 審理当時大学生だった20代の会社員女性=本島中部=は「(判決を決める)評議が終わった後の帰り道がきつく、すごくメンタルが削られていた」と振り返り、若い世代へのケアも求めた。

 また、裁判員の選任手続きから審理が始まる期間が短かったことに対し、別の20代の会社員女性は、仕事を休む調整が必要となることから「ゆとりがもらえたら(助かる)と思う」と述べた。

 小野裕信裁判官は「負担は少なくしなければならない」とし、高松所長は「われわれも頭に入れて運用しなければならない」と述べた。意見交換会では、沖縄大学の学生からの質問の場も設けられた。

 (金良孝矢)