【東】米海兵隊音楽隊が16日、沖縄県東村の村民の森つつじ園で開かれた第42回東村つつじ祭りで演奏会を開いた。村によると、祭りでの米軍の演奏は初。當山全伸村長は開催理由について「軍の組織だが音楽だけに取り組んでいる。村民がプロの演奏を聞く機会はない」と説明した。一方で同村の村議の一部から「宣撫(せんぶ)工作だ」との声も上がっている。村によると、米軍側から演奏会の提案があった。
演奏会の中止を求める要望書を村長に提出した伊佐真次村議は、琉球新報の取材に「米軍への反感を和らげ基地に抵抗しない勢力をつくるのが音楽隊の仕事だ。素晴らしい演奏だったが、だからこそ危険だ」と訴えた。
会場で抗議活動したチョウ類研究者の宮城秋乃さんは「宣撫工作の場を与え、村が米軍を肯定的に捉えていることを発信した」と批判した。
當山村長は「(演奏会を)定例化するつもりはない。代替案を検討し、みんなが良かったと言える祭りにしていきたい」と語った。
(武井悠)