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LRT導入で素案公表 那覇市 2040年度開業目指す 「誰もが移動しやすいまち」へ


LRT導入で素案公表 那覇市 2040年度開業目指す 「誰もが移動しやすいまち」へ 那覇市役所(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 吉田 健一

 知念覚那覇市長は28日、次世代型路面電車(LRT)導入に向けて市の構想をまとめた「LRT整備計画素案」を発表した。中心市街地、真和志、新都心の三つの地域を東西、南北の二つの路線で結び、既存の路線バスやタクシー、モノレールとLRTを有機的につなぐことで「誰もが移動しやすいまち」を目指す。

 概算建設費は2路線合わせて約480億円で、開業時期は2040年度を想定する。

 市は5月から素案に対するパブリックコメントを実施する。素案を基に県など道路管理者や警察、路線バス事業者などとLRT導入に向けた協議を行い、2025年度末を目標に整備計画を策定する。

 素案では、LRTの整備ルートとして、県庁北口から与儀、寄宮交差点を経由し、南部医療センター周辺に至る東西ルート(約5キロ)と、新都心から真嘉比、寄宮を経由し、真玉橋に至る南北ルート(約5キロ)の2路線が示された。

 さらに、東西路線の支線(約1キロ)として県庁北口から若狭海浜公園付近をつなぐルートも提示した。

 寄宮交差点付近は東西、南北路線が交差する交通結節点としての機能整備を図る方針で、これまで公共交通が不便な地域だった真和志地域の利便性向上が期待される。

 1日当たりの平均乗客数は東西線で1万5100人、全線で2万1900人を予測する。市は今後、県が実施中の交通手段などを調べる「パーソントリップ(PT)調査」の結果を基に再度、利用客の推計などを行う。

 LRTの運行に必要な施設の建設や保有は、那覇市などが担い、運行会社が車両を運行する公設民営による「上下分離方式」での事業着手を想定する。

 会見で知念市長は「環境や人に優しいLRTを本市の中心市街地や真和志地域、新都心地域の三つの拠点を結ぶ基幹的公共交通として位置付け、既存のバスやタクシー、モノレールと連携することで人々の移動をよりスムーズに、さらに住みよいまちへと発展させたい」と語った。