将棋の第73回NHK杯戦決勝で佐々木勇気八段(29)が藤井聡太八冠(21)=竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=を破り、初優勝を飾った。佐々木八段は母が沖縄県出身。幼少期の頃から県内をたびたび訪れ、なじんできた。初優勝にあたり本紙にコメントを寄せてもらった。
決勝は藤井八冠が相手というまさに大舞台となった。佐々木八段は「熱戦をできたことがうれしかった。結果は何とか優勝という感じだったけど、反響も大きかった」と言う。その上で「またああいう将棋が指せたらいいなと感じた」と、満足のゆく対局であったことを記した。
今後の目標について聞くと「先手番、後手番の自分の得意戦法を磨くこと。研究が足りていないところを補っていく」と見据える。一方で肉体面での鍛錬も課題に挙げ「体力づくりも大切かなと思い、気分転換も込みでランニングをしている」と答えた。
沖縄にゆかりのある棋士の快挙を受け、県内の将棋ファンや将棋を日々学ぶ子どもたちへ贈る言葉を寄せてもらった。佐々木八段は「私は子どもの頃から25年ほどやっているが、将棋の奥深さに少しずつ気付けてきて、また面白いなと感じでいる。実力を高められるように頑張りたいと思う」とメッセージを寄せた。
(斎藤学)