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「南城市長側、時間稼ぎ」 議会招集を拒否、市議が批判 南城市長セクハラ疑惑 沖縄


「南城市長側、時間稼ぎ」 議会招集を拒否、市議が批判 南城市長セクハラ疑惑 沖縄 南城市役所=2024年3月撮影
この記事を書いた人 Avatar photo 南 彰

 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を巡り、古謝市長が地方自治法に基づく臨時議会の招集を拒否した。第三者委員会による真相解明を再び先送りするもので、南城市政は総務省が「法律違反」と指摘する事態となった。

 今回、南城市議8人が求めた臨時議会の請求は、市が古謝市長のセクハラ疑惑に関する第三者委を開こうとしないため、議会が決議で意思を示し、市に早期の設置を後押しするためだった。野党・真南風会の宮城尚子市議は「第三者委での中立・公正な調査を早く行い、再発防止のためのハラスメント防止条例の制定などにもつなげていきたい」と説明する。

 第三者委の設置については、市議会の2月定例会に市民団体が提出した陳情を「一部の文言が引っかかる」と注文をつけて先送りしたが、与党会派も「大方が賛成」と話す。臨時議会を開けば、決議を可決し、調査が前進する可能性があった。

 ところが、市長は議会の開催を阻んだ。

 「今回の会議に付議すべき案件は、地方自治法第112条に規定する議員の議案提出権ではなく、『長が議会の議決を経て定める』旨規定があり、本件については、特別委員会でも議論されていることから、臨時会の招集は行いません」

 市議に示した回答には、専門家からも「理由が不十分で、何を意味しているのか、よくわからない」(徳田博人琉球大教授)と疑問の声が出ている。

 古謝市長は、元運転手の女性が被害を申告した当初から、第三者による調査をせず、業務委託契約を解除。中立・公正な調査を先送りし続け、混乱と不信を招いている。

 中立・凛の会の仲間光枝市議は「市長側は時間稼ぎでやらない理由ばかり探している」と批判した。

  (南彰)