ピーチ、電動車いす客の搭乗拒否 バッテリー目視確認を巡り 「差別」指摘も 沖縄・那覇空港


ピーチ、電動車いす客の搭乗拒否 バッテリー目視確認を巡り 「差別」指摘も 沖縄・那覇空港 林君潔さんが使用する電動車椅子のバッテリー部分。外部はカバーで覆われており、内部は見られない(林さん提供)
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 今月5日、那覇空港から格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションで台北に向かおうとした台北在住の林君潔(チュンチェリン)さんが、利用する電動車いすのバッテリーが目視確認できないことを理由に、搭乗を拒否されていたことが15日までに分かった。同日、オンラインで会見した林さんは「バッテリーを理由に搭乗を拒否されたのは初めて。目視確認が本当に必要か検討してほしい」と改善を訴えた。

 林さんによると、ピーチのホームページ(HP)には、電動車いすでの搭乗条件として「バッテリーの目視確認ができない場合、バッテリーの詳細な情報が分かる書類等の持参」と明記されていたため、事前に電動車いすとバッテリーの情報を記載した書類をピーチ側に送った。だが、5日に搭乗しようとすると、ピーチ社の職員はバッテリーが目視確認できないとして搭乗を拒否。林さんは書類を提示したが認めらず、翌6日に別会社の便で台湾に戻った。

 ピーチ社のHPには車いすでの搭乗を申し出る申請フォームに、工具を使わないとバッテリーが外せない場合、搭乗できないと注意事項がある。同社は本紙の取材に対し「目視確認できなければ搭乗できないことを注意したものだが、表記が分かりづらくご迷惑をおかけした」と表記を見直す予定を示唆したものの、同社の方針は維持する考えを示した。

 障がい者の問題解決に取り組むDPI(障害者インターナショナル)日本会議の佐藤聡事務局長は会見で、「米国は書類だけで確認をするが、日本では搭乗ゲートまで何度も目視確認を求められる。差別的な対応だ」と語った。

(狩俣悠喜)