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9・29の会も抗議へ 令和書籍の教科書、「戦争美化」の修正要求方針


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 文部科学省が中学校歴史教科書の検定で「令和書籍」を追加合格としたことを受けて、9・29県民大会決議を実現させる会(仲西春雅会長)は24日、琉球新報の取材に対し、教科書の記述を確認した上で出版社に文言修正を要請し、文科省に合格させたことへの抗議をする方針を示した。

 会のメンバーからは、太平洋戦争を美化する記述だとして批判の声が上がっている。同会は5月29日の定例会で抗議について諮り、正式に決定する。今後、戦争を美化する文言を集約した上で、出版社や執筆者に修正するよう申し入れる。文科省には、教科書が戦争を美化し誤解を与える内容だとして、検定の合格判断の見解や基準を問うとした。

 同会のメンバーで、沖縄戦体験者の玉寄哲永さん(89)は、戦争を美化するような記述に対して「沖縄戦の生き残りとして許さない。日本は今、戦争への道をたどっている。新たな戦前にしてはならない」と警鐘を鳴らす。

 令和書籍の歴史教科書は、沖縄戦に動員された学徒隊を「志願」とし、特攻隊員の戦死を「散華」と記すなど、戦争を美化するような表現が使われている。 

 (吉田健一、高橋夏帆)