被害者の父「娘を供養するため生きないと」 米軍属による女性殺害から8年 現場訪れ悼む人たち 沖縄


被害者の父「娘を供養するため生きないと」 米軍属による女性殺害から8年 現場訪れ悼む人たち 沖縄 米軍属による事件から8年がたち、遺棄現場で手を合わせる吉田勝広さん=29日、恩納村
この記事を書いた人 Avatar photo 玉寄 光太

 2016年にうるま市でウオーキング中の女性=当時(20)=が、元海兵隊員で米軍属だった男に殺害、遺棄された事件から28日で8年を迎えた。

 遺体が見つかった恩納村安富祖の現場には献花台が設けられた。訪れた人たちは静かに手を合わせ、女性を悼んだ。

 献花台は29日夕方まで設置され、多くの花や飲み物などが供えられていた。毎週のように現場を清掃する元金武町長の吉田勝広さんは最近、女性の父親に会った。父親は「娘を供養するために生きないといけない。そんな思いで毎日、仏壇に手を合わせている」と話したという。

 吉田さんは、同様の事件を繰り返さないためにも「命どぅ宝に反することに対しては決意を持って行動することが大切だ」と述べた。その上で「命の大切さに人種や国籍は関係ない。いちゃりばちょーでーの精神が必要だ」と訴える。

 夫婦で献花台を訪れた女性(58)=糸満市=は「悲劇を忘れない」という気持ちで手を合わせたという。戦後、県内で米軍関係の事件や事故が繰り返されてきた歴史に触れ「県外の人にも沖縄の置かれた状況を知ってほしい」と願った。

(玉寄光太)