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小説家・逢坂冬馬さん 平和へ声上げ続けよう ナチス誕生前と類似 沖縄できょう3日講演へ


小説家・逢坂冬馬さん 平和へ声上げ続けよう ナチス誕生前と類似 沖縄できょう3日講演へ インタビューで憲法と平和への思いを語る作家の逢坂冬馬さん=2日、那覇市
この記事を書いた人 Avatar photo 安里 洋輔

5月3日の憲法記念日に浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで開催される憲法講演会「戦争と平和~希望につながる抵抗の力~」(県憲法普及協議会など主催)に登壇する小説家、逢坂冬馬さん(38)が2日、本紙の取材に応じた。第2次大戦時の独ソ戦を舞台にした小説「同志少女よ、敵を撃て」の筆者として知られ、ナチスの独裁に抵抗した少年の物語をつづった小説「歌われなかった海賊へ」などを手掛けた逢坂さんは平和のために「声を上げ続けることが大切だ」と訴えた。 (聞き手 安里洋輔)

―沖縄はどう映る。
「憲法が定める平等の原則が米軍基地の偏在する沖縄では生かされていないし、守られていない。辺野古も含め、沖縄の基地負担の在り方は全く平等ではない」
―中国脅威論が喧伝(けんでん)されている。
「ナチス誕生前の状況と似てきている。外国の脅威を理由にした権力の強化だ。相手を悪魔として暴力を正当化する論法だ」
「ファシズムの形成過程で権力に迎合する市民層が必ず存在した。そうした市民と結合して逆らえない権力ができた」
―声を上げづらい空気もある。
「市民運動をやゆして居場所を確保しようとする者もいる。それでも声を上げるしかない。私もイスラエル大使館前でガザ侵攻に抗議した」
「特別なことではないと自分の行動で伝えていきたい」