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「キスをされた」セクハラ疑惑否定の南城市長説明と食い違う 市議特別委の職員アンケート 沖縄


「キスをされた」セクハラ疑惑否定の南城市長説明と食い違う 市議特別委の職員アンケート 沖縄 特別委員会に運び込まれたアンケートの投票箱=27日、南城市議会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を巡り、市議会特別委員会が実施した職員アンケートでも「キスをされた」と、古謝市長からのセクハラを訴える回答が寄せられたことが分かった。疑惑を否定する古謝市長の説明と食い違う結果となったが、特別委は結果を公表するか決めていない。

 今後、全容解明に向けて、結果の公表と第三者委員会の設置が焦点となる。

 「秘密会」で開かれた27日の特別委は、午前10時からアンケートを開封し、市議が2人1組の9班に分かれて入力作業を実施。午後4時ごろに傍聴者を入れ、議会事務局が集計した回答件数と「ハラスメントを受けた・見聞きしたことがあるか」という質問への回答のみを公表した。

 与党会派の安谷屋正委員長は「事務局から発表になった数字以外のことが公表されることがないように」と要請。「次回も秘密会」と述べて、特別委を終了した。

 301通のアンケートの原本とデータを入力したUSBメモリーは、安谷屋委員長が一元管理することになった。結果の取り扱いは、31日午前10時から非公開で行う特別委で議論する予定だ。

 古謝市長のセクハラ疑惑を巡っては、元市長車運転手の女性が「市長からセクハラを受けた」と申告した後に業務委託契約を解除されたことが昨年12月に発覚。その後、市議有志7人が年末年始にオンラインで職員アンケートを実施したところ「市長からキスをされた」など、古謝市長からのセクハラ被害を訴える回答が複数、寄せられた。

 古謝市長は当時、取材に「それはうそでしょ。私はやったことはありません。前市政の問題だ」と否定していた。しかし今回、市議会特別委が実施したアンケートでも「市長からキスをされた」という回答が寄せられ、市議有志のアンケートと同様の結果になった。

 「ハラスメントを受けた・見聞きした」という回答は81通あった。「これまでハラスメントの申告はない」と言ってきた市の説明が崩れる形だ。81通の中には古謝市政以外の事案も含まれているが、与党市議も「(81通は)結構あった」と話した。

 岐阜、愛知両県の自治体では第三者委の調査で、首長のセクハラ解明が進んだが、南城市では市長と与党会派が第三者委の設置を先送りしてきた。結果を受けて、市職員の一人は「早期に第三者委を設置して、客観的に事実関係を明らかにしてほしい」と述べた。 

(南彰、普天間伊織)