南城市と業務委託契約を結んでいた古謝景春市長の元運転手の女性が、市長からセクハラを受けたとして市長と市を相手取り、慰謝料などを求める訴訟を那覇地裁に提起した件で、女性の代理人を務める加藤裕弁護士らが9日、県庁記者クラブで会見した。
加藤氏は、市長のフェイスブック(FB)での女性を非難する内容の投稿を問題視し、「追加賠償を検討している」と明らかにした。
市長の書き込みを受けた別の投稿者による女性への中傷についても、刑事と民事を含めた「法的手段を検討する」と述べた。訴訟は2月に提起され、今月16日に初回弁論が行われる。
加藤氏によると、女性に関する古謝市長のFBへの投稿には、女性の家族に関することなど「属性に関わるさまざまな個人情報」が含まれており「大部分が事実に反する」としている。
加藤氏は、古謝市長の投稿を受けて市長の支援者らが女性をバッシングするような書き込みを繰り返していることが「二次被害をもたらしている」との認識も示した。
会見では、提訴に至るまでの経緯も明らかにされた。説明によると、2022年12月に加藤氏が女性から被害相談を受け、23年4月に市長側にセクハラ被害への賠償を求める書面を送付。市長側から返信はなく、話し合いに応じる態度も見せなかったため、提訴に踏み切ったとしている。
古謝市長は9日、本紙取材に秘書を通じて「記者会見の内容について全て把握できていないので、会見についてのコメントは差し控える。SNSその他については今後の裁判の中で明らかにしていく」とコメントした。
(安里洋輔、普天間伊織)